週末職人

気持ち美人に生きる知恵とお作法、英語学習と時々、DIY製作記録。

最もご利益のあるお守りは、「自分の名前」でした。

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電車の中で、一瞬「え?」と耳を疑うような、珍しい名前で呼びかけられてる女の子に遭遇しました。去年亡くなった大物女優と同じ名前。その方のそれは芸名でしたけど、電車の女の子の方は、母親らしき女性が何度も呼びかけていたので、おそらく本名だと思われ、だとしたら相当珍しいです。

キラキラネームと呼ばれる、子供のユニークな名前のことがメディアで取り上げられたりしたこともありましたが、今ではもう「珍しい名前も珍しくなくなった」という、妙な状況なのでしょうか。先日、大学で教員をしている友人が言っていましたが、授業の出欠を取るための学生名簿にも、いつの頃からか必ずフリガナが振られているようになったそうです。とにかく名前に当て字のような漢字が使われていることも多く、また通常では考えらえないような読み方をするなど個性的な名前が多すぎて、フリガナなしでは読めないのだとか。

御守りは名前

ところで、この名前というものについて、以前にもお話を伺った神職の方から、興味深い話を聞きました。

よく、「子供は生まれる前に、どの両親のもとに生まれるか、自分で決めて産まれてくる」というようなことを聞きますが、なんと「自分の名前も、自分で決めて産まれてくる」のだそうです。なので、姓名判断で画数がどうとか、たとえ良くないことを占い師等に言われたとしても、その人にとってはその名前が最良のものであるとのこと。そして、自分の名前に誇りを持ち、愛着を持つことが何より大切なのだそうです。

日本古来の山岳信仰が仏教に取り入れられた、日本独特の宗教である修験道には、自分の名前を清書した紙を自分自身と同一と考えて、おはらいをしたりお守りとして身につける修法があるそうです。

また、名前に力が宿るという考えかたは、東洋だけのことではなく西洋でも同じで、本名を知られることは自分の魂の所在地を知られることであり、名前を知るものに縛られることになるという教えもあります。

ネイティブ・アメリカンには、「すべての人物・事物には真の名前があり、その名前を知るものはそれを支配することができる」という信仰があります。そのため彼らは、家族など本当に信頼できる人以外には、自分の本名は秘密にして決して明かさないそうです。

日本でも、明治以前の上層階級の男子は、通称と「諱(いみな)」という2種類の名前を持っていました。例えば、昨年の大河ドラマの主役「西郷どん」は、隆盛(本当は隆永らしいですが)が諱(いみな)、吉之助が通称です。坂本龍馬は、直柔(なおなり)が諱(いみな)、そして龍馬が通称です。

「諱(いみな)」とはいわゆる本名・実名のことで、親や主君など極近しい関係にある人以外がこの名前を気軽に呼ぶことは、きわめて失礼とされていたそうです。それはつまり、本名はその人の霊的人格と強く結びついていて、口にするとその霊的人格を支配できる(呪うとか)と考えられていたからで、ネイティブアメリカンの信仰と同じ考えによるものと言えます。

名前というのはそれ自体が「名前の主の分身」であり、非常にパワーがあるものだということなのです。

また、名前が重要なものである考えられるのは、何も人間に限ったものだけではありません。
世界的に著名なコンピュータプログラミング言語の開発者は、彼のエッセイの中で、「適切な名前をつけることができた機能については、その設計の8割が完成したと考えても言い過ぎでない」と言っています。プログラミング設計という時代の先端を行くITの世界でも、適切に決められた名前はその実体に命を吹き込んで、また名前自体が命を持つようになり、設計が上手く行く、と考えられているのです。彼の設計上の座右の銘は「名前重要」というもので、あらゆる機能をデザインする時に、その名前にもっともこだわるとも書いています。適切な名前を付けることで、名前がその仕事を後押ししてくれるということです。

そうすると、上手く行ってないものでも名前を変えると成功する可能性があると考えられます。このパターンをよく見聞きするのは芸能界。売れない歌手や芸人が、名前を変えた途端に売れっ子になったという話はよくききます。逆に、名前を変えた途端に勢いがなくなったという例も当然あって、芸能人だけでなく、企業やお店の名称にもそれは見られますね。

こうやって見ていくと、名前って本当に深いものであることがわかります。

 神社 鳥居

ところで、先の神職の方によれば、自分と同じ名前の神社にお詣りすると、抜群のご利益やご加護を受けられるそうです。

これで思い出すのが、スケート選手の羽生結弦さん。神戸の御影にある、自分の名前と同じ音のはいった弓弦羽(ゆづるは)神社に参拝に訪れたエピソードと、その後の活躍は有名ですね。

雑誌やテレビで紹介される有名な社寺やパワースポットもいいけれど、自分と同じ名前の神社だったらそれだけで親近感というのか強い縁を感じます。「特別なご利益をいただけるかもしれない」と、お詣りしていても気持ちがしっかり込められそう。

日本全国に神社はたくさんあるので、自分の苗字や名前と同じところを探してみるのも楽しいかもしれませんね。

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