迷ったら、やる。

「20年後に失望するのは、やったことよりもやらなかったことだ」　マーク・トゥウェイン

だいたい今頃の時期になると、「４月から英会話の勉強始めよっかなぁ～」と、毎年同じセリフを口にする知人がいます。そして私に、「どうやって勉強したらいい？」と訊くので、テキストはコレが良いとか、NHK英会話から始めてみたら？とアドバイスするのも毎年のこと。でも何か月後かに会った時、「英語どう？」と尋ねると、「結局何もやってないー」と、テヘペロするのが年中行事のようになっています。
きっと、この知人の「始めようかなあ」は、単なる春先の挨拶のようなものなのでしょう。本気で英語の勉強を始めようか、どうしようか、という迷いの時点にすら立っていないのかもしれません。

　　　　　　　　　　思い立ったが吉日。迷ったら、やる。

＊何もしなければ今のまま＊

もし、何かをやるか・やらないか本気で迷うことがあったら、「とりあえずやってみる」ことを強くおすすめします。

一瞬でも「やってみようかな」と思ったのに、時間がたつほどに迷いが生じてきた、そして結局やらなかったとなるのは、「今更そんなことやってもしょうがない」「別に、今のままでもいいか」「失敗したら元も子もない」、などと考えてしまうからだと思います。けれど、やった後悔と、やらなかった後悔とでは、後者の方が確実に大きいのです。人は達成できたことよりも、中断したり達成できなかった事柄のほうを強く記憶し続けるという心理作用があります。中途半端で放り出したことや、やらずに終わったことが、気になり続けるというものです。

「やるか、やらないか」で悩むのは、時間の無駄以外の何物でもありません。やらなければ、当然何も起こらず、何も変わりません。何かを始めれば、毎日は確実に変わり、いずれそれが人生をより良いほうへと変えていくことになります。やり始めて、「やっぱり違ったな」「自分には合わない」と思えばそこでやめれば良いのですし、失敗したと思ってもその時点で軌道修正をすれば良いのです。変わることや失敗を恐れて現状維持に逃げると、ますます行動を起こせなくなります。

＊現状維持から脱出するには、まず「小さく」始める＊

何かにチャレンジしたい気持ちはあっても結局現状のままにとどまってしまうのは、自律神経組織と言われている潜在意識の現状維持志向によるものだと言われています。潜在意識の究極目的は、生命を維持することです。

現状のままなら生命を維持できているが、何か新しいことを始めたりして、これまでと変化すると、生命の危険があると判断して、現状を維持しよう・今のまま留まろうとするのが潜在意識の働きです。この働きの影響を受けずに新しい行動を始めるには、小さく動き始めるのがポイントです。

小さく動くとは、小手調べ・お試し・”試食”程度に初めてみることです。習い事なら、まず体験レッスンから。それも１か所ではなく数か所で受けてみるといいと思います。体験レッスンなら、費用的にも大きな投資も必要なく、その内容に自分が本当に興味が持てるかどうか、合う合わないも含めて検証することができます。

独学で何かを始める場合も、最小限のテキストで、極簡単な入門レベルから初めてみる。外国語の勉強でも、いきなりスクールに行くのではなくNHKの語学番組をとりあえず見てみるとか、今時なら無料のスマホアプリなどを利用して初めてみると良いのでは。そして時間も１日５分くらいと決めておきます。

＊”ネガティブな善人”を避ける＊

「こんなこと、やってみようかと思ってるンだけど…。」と、人に相談するのはやめておくのがベターです。「いいね！わたしもやってみようかな！」などと賛成して応援してくれる人と同じ数だけ、「やめておいたら」と足をひっぱる人もいます。悪意からではなく、チャレンジして上手くいかなかったら気の毒だとか、お金がたくさんかかるんじゃない？という、純粋なる良心にもとづく心配。そして、親しければ親しいほど、そんな善い人たちの言葉は気にかかり、せっかく「やろう」と決めたのに、善人たちに心を揺さぶられ、チャレンジできなくなる可能性が高いのです。新しいことを始めるときは、黙ってこっそりと始め、成果が出てから「実は・・・♪」と教えてあげればいいのです。

　　　　　　　　　　思い立ったが吉日。迷ったら、やる。