「栄光浴 basking in reflected glory」という言葉があります。
「私の友達の友達が女優で~」とか「母校の卒業生にノーベル賞受賞者がいるの」などと、有名人だったり社会的評価の高い人との関係性を強調して、自分への高評価に結びつけようとする心理行動のことです。
「スゴイ人と関係がある自分はスゴイ」と自慢したいわけで、いわゆる『トラの威を借るキツネ』、『他人のふんどしで相撲を取る』というやつですね。
◆自分以外は、すごい人ばかり
私の周囲にも、栄光浴好きな人はたくさんいます。すぐに思い出すだけでも、
「おさななじみの友達の従妹がタカラヅカにいる(=タカラジェンヌ)」
「兄の彼女の実家は大きな病院を経営してる」
「タレントの〇〇は、高校のクラブの後輩」
「予約の取れない三ツ星フレンチのシェフが友達の友達にいる」etc. etc.....
何回も、会うたびに同じ自慢をする人も…。
きっと「スゴイね~」「いいな~」って言ってほしい、羨ましく思ってほしいのでしょう。
でも聞かされる方としては、「ふーん。それで?」「それがどうした?」って感じです。
そして実際にも、「ふーん。」としか返事してあげない私ってイケズかもと自分で思いつつも、そんな話をされても面白くもなんともないんだから仕方ありません。
◆自分に自信がない証拠
他人の名誉や栄光を利用して自分の評価を高めようとする栄光浴という心理行為には、自分に自信がないことや、自尊感情の低さが透けて見えます。
自分は尊敬されるべき人間ではないという感覚が強いため、自分について自慢できる部分を見つけることができす、自分の代わりに自慢のネタとなる「知り合い」を語ることで、その栄光を自分も一緒に浴しようとするのです。
また、相手が自分のことを好意的に思っているかどうかよくわからないときにも、人は往々にして有名人の威光にあやかろうとするのだそうです。
「他人から認められたい」「リスペクトされたい」という承認欲求は人間としてごく自然なものですが、それが行き過ぎてしまうと他人の栄光までも利用して、自分を大きく見せようとしてしまうのでした。
◆Win-Winの対処法?「ただいま”栄光浴”中」
栄光浴ネタは言うに及ばず、他人の自慢話なんて、聞いていてそれほど楽しいものではありません。
だけど、「それがどーした?」と言ってしまえる関係の相手ならともかく、たいていは「すごいですね!」「いいな~♪」などと、心にもないお世辞やお愛想めいた返事をせざるを得ない場合も少なくないです。
そういうときには、「あ。このヒト、ただいま栄光浴中ねw」「気持ちよさそうに栄光浴してはるわ~」と心の中で笑っておくのが良さそうです。
ついでに相手が、『他人の栄光』の文字がシャワシャワと降り注ぐシャワーを、嬉々として浴びてるシーンでも思い浮かべれば、ウンザリするような自慢話もニコニコ(ニヤニヤ)しながら聞いてあげられるかもしれません。
相手の自慢したいという欲求も満たしてあげて、聞いてるこちらもあまりストレスを感じない「双方良し」の対処法かと思うのですが、いかがでしょう???
今日も最後までお読みくださいましてありがとうございました。