週末職人

気持ち美人に生きる知恵とお作法、英語学習と時々、DIY製作記録。

「正体は端に出る」神も美も、宿るのは細部です

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階段を登るときに目に入る、前を行く女性のヒールの革めくれ。電車の中で、目の前に座ってスマホをいじる人の、ハゲたマニキュアの指先。人のアラに目が行く自分に、「ワタシってイケズ」などとちょっと思いながらも、同時に、「人の振り見て我が振り直せ」と、あらためて自分の身だしなみを見直すチャンスとさせていただいてます。

          pumps 正体は端に出る

使い古された感がありますが、一流ホテルのホテルマンはお客様の履いている靴を見る、と言います。これは何も、高級品であるか否かを見ているのではなく、汚れなどなく綺麗に手入れされているかどうかを見ているのです。靴という体の先端、細部にまで気を配れる余裕・ゆとりがあるゲストなのかどうかということ。

そういう意味では、汚れの付いた靴で、おまけに爪先が傷になったりカカトの革がめくれたまま履いているとしたら、その程度の人間だとみられる可能性があるわけで、そういう判断をされるのは不本意なことですよね。

軽く汚れを拭うだけの手入れだけでも靴を履くたびにしていたら、革がめくれていることに気づかないはずがありません。もし、それに気づいていながら修理もせず、そのまま履きつづけてしまうのなら、相当粗雑なマインドの持ち主だし、修理をしたり別の靴に履き替える余裕もないのだと、自分で言いふらしながら歩いているようなものです。

靴のささくれと同じくらいに残念なのは、剥げたマニキュア。そんな指先でいるくらいなら、マニキュアなんてしないほうがいいです。そういう状況を目撃してしまう衝撃は、多分している本人よりも、見てしまった他人のほうが大きいから…。

さらには、毛玉のついたニットや、ペットの犬猫の抜け毛がたくさんついたジャケットやコートも興ざめです。どれほどメイクもヘアスタイルも完璧だとしても、毛玉や汚れがついている服を平気で着て歩けるハートの持ち主だというだけで、完璧アウトだと言っていた男性がいました。べつに、好きでもない相手になんてどう思われようと関係ない、とうそぶく声もあるかもしれませんが、興味のない相手にすらそんな風に思われる、見下げられるというのは、女性としてはもちろん、人として大損ですよね。

          baby feet 正体は端に出る

 一方で、靴や指先、服装といった見た目にはそれなりに気を使っても、人目につかない「美」には無頓着ということもありがちです。でも実はそういう部分にこそ、その人の本質・正体が現れるのですよね。

よく言われるところでは、カカトやヒジ・ヒザといった体の「端」のガサガサ。服で隠れてしまう冬場は特にお手入れも怠りがちですが、冬の間にこそしっかりケアしておかないと、肌を出す季節に間に合いません。

何年も前の話ですが、仕事で関わったある女性芸能人を接待する機会がありました。一緒に仕事をしたメンバー10名ほどで京都の料亭で食事をしたのですが、畳敷きの座敷に靴を脱いであがる際に、偶然そのタレントの素足が目に入ったんです。初夏の頃でしたがすでにナマ足だったその人は、裸足でお座敷に上がったのですけれど、そのカカトが衝撃のガサガサ。当時はテレビにもしょっちゅう出ていた人気者で、美貌でも売ってるその人のカカトがガサガサなんて、自分の目で見たんじゃなければ信じられないところです。素敵な洋服をまとい、顔や髪もプロのヘアメイクで整えられて完璧なのに。『あのカカトは無いわ~』と、シミジミもの悲しい気分になりました。

普段の生活ぶりや本質が現れると言えば、毎日持ち歩くメイク道具もそうです。電車内でメイクをしている女性のお化粧道具は、必ず化粧品でドロドロに汚れていました。薄っすらと黒ずんだようなコスメポーチや、ファンデーションが裏表にこびりついた汚れたパフ。色んな色が混ざりすぎて何かわからない色に染まったアイシャドウチップ。電車の中ではお化粧しなくても、会社や外出先の化粧室でメイク直しをする際に、そういうものは全部見られてます。もちろん誰も何も言わないけれど。

少なくとも、自分の肌に直接触れる化粧道具くらいはマメに洗って清潔にしたほうがいいですね。雑菌の繁殖したパフやブラシが肌に触れると、肌荒れや皮膚炎の原因にもなりかねません。

          pink rose 正体は端に出る

カカトも化粧道具も、すべて「だらしなさ」が如実に現れる部分です。外見が美しければ美しいほど、目に見えないそれらの部分のだらしなさには、感じる落胆も大きいです。

なぜならば、隠れた部分こそ、その人の本質を表すところだから。

美は細部に宿ります。この言葉、本当は「God is in the details.神は細部に宿る」というのが正しくて、フランスの作家フローベールの言によるものだとか。その意味するところは、「本当に素晴らしい技術やこだわりとは、一見して分かりにくい」ということ。

「美術品や建築物などは、見た目の素晴らしさばかり注目されるけれど、一流の作者の最もこだわったものとは、一見しても分かりづらく、そして非常に精巧な仕事がなされている」という、目に触れにくい要素をも称えたものなのです。

細部は、手を抜くことも可能ですが、だらしなさといった本質的な「正体」が、真っ先に出る部分です。人間でいうと細部とは、爪先、髪の毛の先、ヒジ・ヒザ・カカトなどの先端。そして、靴の爪先やヒール、袖口・襟元などのやはり端っこ部分。それらの部分に手を抜かないことは、自分を大切にすることにも通じます。

陽射しがどんどん明るくなってくる、これからの季節。「白日の下」にさらされても恥ずかしくないように、自分の身体も持ち物も、端っこまで丁寧なケアを心掛けたいですね。

 

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