英会話学校に入ったけど、相手が何を言ってるのか聴き取れないから解らない。解らないからつまらない。つまらないから、やっぱりムリとやめてしまう…。
英語学習において、「文字で見れば理解できるけど、聴き取れない」という悩みをよく聞きます。
なぜ聴き取れないのか。
リスニングが苦手になってしまう理由には、次のような原因が考えられます。
✔ 正しい発音で学習していない
日本独特のジャパニーズイングリッシュで発音を覚えてるので、英語本来の発音を聴き取れない。英語のアクセントやリズム、音のつながりに慣れていない。
✔ 英語の語順やスピードに慣れていない
受験英語独特の返り読みのクセが抜けなくて、文頭から理解するという英語の語順に慣れておらず、理解するのに時間がかかる
つまり、英語のリスニング力を向上するためには、この2つの苦手原因を取り除いていけば良いということです。
【英語リスニングの具体的な学習方法】
リスニング練習のコツは、「英語としての音を聴き取る」「意味を理解する」ことを、意識しながら行うことです。
たくさん英語を聴くことはもちろん必要なことですが、ただ漫然と聞き流すだけでは身につく効果は得られません。
英語の音や意味に注意を払い、丁寧に聴くことが大切です。
それには、聞き取った音声をそのまま文字に書き取る「ディクテーション」がおすすめです。
ディクテーションは「精聴」訓練でもあるため、リスニング力が強化されるだけでなく、発音や語彙、リーディング力も鍛えることのできる、非常に効率の良い英語学習方法です。
それでは、ディクテーションの方法と、どのような英文を沢山聴けばばよいのかについて説明します。
【ディクテーションを使った英語学習方法】
ディクテーション用の教材は、次の点に留意して選びます。
✔ ネイティブの発音が聞けるもの
✔ 自分のレベルにあっているもの
✔ スクリプトがついているもの
①英文を聞く
最初は、短めの英文から始めます。スクリプトは見ずに全文を何度かリスニングした後、次は一文ずつ一時停止しながら、繰り返し聴きます。
②聴いた英文を書き取る
紙と鉛筆でやるのが基本ですが、パソコンでWordやメモに入力しても良いでしょう。
聴き取れないところは、何度も繰り返して聴きなおします。10回位を目安に聴き、それでも聴き取れないところは空欄にしておきます。
③スクリプトで確認する
スクリプトを使って、正しく聴き取れていたか答え合わせをします。間違えた所、聴き取れなかった所は、教材音源を聴きながらしっかりチェックし、復習します。
④完全に理解した英文を、繰り返し聴く
英文を完全に理解できたら、音の強弱やリズムの変化に注意して、全体を通して繰り返し聴きます。
⑤ネイティブの発音を真似て音読
教材音源のネイティブの発音を真似して、何度も繰り返し音読をします。何十回も繰り返すことで、声に出して読む速度も徐々に早くなり、ナチュラルスピードで読める(発声)できるようになります。
音読を繰り返し行うことで、英語を英語の語順のまま理解できるようになります。英語の語順で理解できるようになると、自然にリーディングの速度が上がり、リスニング力も向上していきます。
基本的にはこの①~⑤の繰り返しが、ディクテーションのトレーニングになります。
慣れてきたら、一文が長めの英文や、複数の英文からなる文章単位でディクテーションを行ってみましょう。
毎日20分程度の学習を10日間くらい続けてみると、空欄(聴き取れない箇所)の数が明らかに減ってきていることに気づくでしょう。
続ければ続けただけの効果が、目に見える形でわかるのがディクテーションです。
【英語のリスニングを伸ばせる学習教材7選】
英語学習の初級者向けの、リスニング力強化に役立つ教材を紹介します。
自分のレベルに合ったものを選ぶことがポイントです。
✔英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができる
ネイティブ並の発音と、字幕なしで洋画を見られるリスニング力を同時に身につけることを目的とした本。この本で正しい発音や英語のリズムを学んでからリスニングトレーニングをすることで、リスニング力アップに効果が期待できます。
✔ゼロからスタート リスニング―だれにでもできる英語の耳作りトレーニング
日本人にとって特に聴き取りにくい英語の「音」に関する特徴を、10項目に分けて解説しています。やさしい英文で、英語の音の特徴が解説されており、様々なシチュエーションに対応した具体的な会話文を素材に学習できます。簡単な単語、短文を経て長文リスニングに挑戦する段階的な学習法。
✔ゼロからスタートディクテーション
ゼロからスタートシリーズのディクテーション用の教材です。1日10分、短文から会話・アナウンス・ニュースなど、初級〜中級のさまざまな素材を書き取り練習しながら、応用自在のリスニング力を要請します。
✔CD付 究極の英語ディクテーション Vol. 1
英語特有の音を学ぶのに最適な参考書。ディクテーションを通して、リスニング力を鍛える30日間のプログラムです。発音、文法、実践と段階を踏みリスニング力が強化できるようになっています。日常会話で使われるような基本単語やフレーズがメイン。
✔CD付 聞いて書きとる英語リスニング300問
簡単な英文のはずなのに聞きとれない原因を5つのパターンから解明し、300問の実践トレーニングで耳を鍛えるリスニング入門書です。「目で見るとわかる簡単な単語ばかりなのに、耳で聞くとわからない」レベルの英文を厳選した、ディクテーションにぴったりの一冊。
✔攻略!ABCニュース英語(NHKBS)<テレビ番組・ウェブサイト>
ニュース英語に興味がある人に。
NHK BSで放送されている、英語学習者向けの番組。アメリカのABC Newsから1分程度抜粋したニュースに英文スクリプトや日本語字幕を付けて、リスニング学習用構成されています。1分程度という長さも、ディクテーションには最適。
こちらのサイトでは過去2か月分の動画を見ることができます。
✔英語・英会話リスニングプラザ <ウェブサイト>
英語のリスニング学習のために、厳選した音声素材を無料で提供しているサイトです。
初級、中級、上級とレベル別に全60問。英文の長さ、複雑さ、スピードが、徐々にレベルアップしていく構成になっています。扱われている英文も1分程度と、ディクテーションには最適な長さ。勉強方法なども丁寧に解説されています。
リスニングが出来るようになると、英語学習は断然楽しくなってきます。
楽しくなってくると自然に聴く量も増えて、その結果「英語耳」が発達していきます。
上達すれば更に楽しくなるという好循環にハマれば、しめたものです。