週末職人

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人間って面白い。人生で時折出会うユニークなひと~年齢詐称編

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長ったらしタイトル付けましたが、
そこに今回のブログ内容全部入ってますw

 

「年齢詐称」という四文字には
なんとなくシリアスな印象がありますが、
ある程度の年齢になったら誰だって一度や二度は
トシをごまかしたことがあるのでは?

もちろん犯罪レベルのものじゃなく、
「ホントは29歳だけど25歳って言ってみた」とか、
そんな程度のもの。

そして、トシをごまかす時って大抵は、
実年齢より若く言うものですよね。
(未成年者が20歳を超えてると詐称する場合もあるけれど)


でも今回のお話は、逆のパターン。
つまり実年齢よりはるか上の数字を告白してきた人に
わたしは出会ったのでした。

結構長話になりますが、
以下にダラダラと書いてみます。
お時間とご興味があれば、どうぞご一読ください。

 

人間って面白い。人生で時折出会うユニークなひと~年齢詐称編

 

もうかなり昔のお話です。
その人と出会ったのは、華道の教室でした。

その教室はフリーレッスンというのか
お稽古日時がとくに決まっていなくて、
教室開講日であれば自分の都合にあわせて
いつでも稽古に来て良いというスタイルでした。

わたしは会社勤めがあったので
たいてい土・日の午後などに、
教室に誘ってくれた友人とともに
稽古に参加しておりました。

 

いつも友人と一緒でしたし、
受講スケジュールも定まってなかったせいで
教室で親しくなるような人もなかなかできませんでしたが、
ある時、隣のテーブルでお花を活けていた
見るからに年上の女性が声をかけくれたのです。

ただその第一声が、
「わたし、何歳だと思う?」という
初対面の挨拶にしては斬新な感じのもの。

「こんにちは」でも、「はじめまして」でもなく、
いきなり年齢ネタから入るとは....、
と、少々度肝を抜かれました。

 

周囲の人たちにも、声が聞こえていたようで
みんなクスクス笑っていました。

後で思ったのですが、
たぶん、目新しい生徒が入ってくるたびに、
いつもソレをやっていたのでしょう。

これから彼女が発言する内容や、
その後の私たちの反応が予想できてる、
といったような笑いでした(勝手な妄想w)。

 

彼女の質問にわたしは黙っていましたが、
隣にいた友人が、「48歳くらいですか?」などと
不躾にも見た目の印象そのままに答えてしまいました。

もうちょっと若めに言っておけばいいのに、
などと私は内心思ったのですが、
その女性は満足気というか嬉しそうに、
「フフフフフ。わたし、実は62歳」
と答えたのでした。

 

それを聞いて思わず「ウッソーッ!」というお決まりの
ハシタナイ奇声が口をついて出てしまったくらい、
わたしたちは驚いてひっくり返りそうでした。

だってどう見てもその女性は、
50歳ソコソコくらいにしか見えなかったから。

 

お肌もキレイだし、体つきもほっそりされていて、
高い高~いカカトのヒールをはいているのです。

自分の親よりも上(当時)の世代の女性が、
見た目もファッションもそれほど若くあるということに、
本当にびっくりしたのでした。

何度見直しても、どこから見ても、
還暦過ぎてるようなおトシには絶対見えませんでした。

 

それからしばらくは、
わたしと友人の話題といえば
その女性(マダムH)のことばかり。

お顔も、吊り上げたり引っ張ったり注入したり...、
みたいな不自然さが皆無だったし、
どうやったらあんなに若くキレイで居られるんだろう、って
不思議で仕方なくて、
とんでもなく素敵な人に出会ったような気がしていました。

そしてお稽古のたびに、
「今日はあの人に会えるかな~」なんて、
片思いでもしてるみたいに
彼女の姿を探したりしていたものでした。

 

人間って面白い。人生で時折出会うユニークなひと~年齢詐称編

 

それからまあ何だかんだで、数か月過ぎたある日のこと。

一緒に教室に通っていた友人が、
「知ってはいけないことを知ってしまったかもしれない!」
と夜遅くに連絡してきました。

 

何事かと尋ねたら、その日の午前中、
彼女の勤める病院(彼女は医療クラークでした)に、
あの強烈若見えのマダムHがやって来たのです。

もちろん患者として。

友人は、一目見てすぐにマダムHだと気づいたそう。

でも先方は、彼女が制服姿であり
普段はかけないメガネをかけていたせいか、
全く気付いていない様子でした。

 

そこで、「華道教室の〇〇です」って
声をかけても良かったようなものの、
病院で知り合いに会うことを好まない患者さんも多いので
友人もマダムに声をかけるのは憚られて、
気づかないふりをしたそうです。

そして、提出された保険証などからカルテを作るために
PCにデータを入力し始めて、
生年月日を入力したところで手が止まり......。

というのも、生まれ年を入力したときに
そこに自動計算で表示された年齢は、
マダムが言っていたものより
13歳も若い数字(49)だったからです。

 

名前も同じ、顔ももちろん教室でよく見知っているお顔、
だから自分が知ってる女性には間違いないのに、
年齢だけが聞いていたものと全然違う。

それも、聞いていたトシより一回り以上「若い」。

友人は、保険証をマジマジと何度も確認し、
PCのディスプレイも穴が開くほど凝視したとか。

そして、「一体どういうことだと思う??!」と、
わたしに電話をしてきたというワケでした。

 

つまりマダムは、実際の年齢は49歳なのに、
「みんな」にはなぜか62歳だと言っていたのです。

 

なぜ、そんなことを言っていたのかは、
いまだにわかりません。 

ちょっとした冗談だと言うには、
冗談を言った相手の数が多すぎでした。

教室のほかの生徒さんたちも、先生たちまでも皆、
彼女は「猛烈に若く見える62歳」だと信じていました。

その全員に、ウソを言っていたのです。

 

人間って面白い。人生で時折出会うユニークなひと~年齢詐称編

 

そもそもが、お稽古事の教室で、
年齢を大々的に発表する必要はありません。

なのに自らあえて年齢を話題にして、
そこでウソの数字を発表するとはどういうこと?

それも10歳以上大きい年齢を。

もう全く、わけがわかりませんでした。

 

「ウッソー!若くみえるー!信じられへ~ン」
っていう反応が欲しかったのでしょうか?

「絶対そんなトシに見えないー!」
って驚かれるのが快感だったのか....?

 

凡人的発想しか持ち合わせないわたしには
さっぱり理解できませんが、
もしかすると一種の虚栄心・承認欲求だったのかもと
想像しています。

要は他人から、なんでも良いから
「スゴイ」って言われたり、
驚かれたりしたかったってことでしょう。

ホントは49歳なのに62歳だと言ったら、
「ぜんぜんそんなトシに見えないーー」
「すごく若く見えます!」
「秘訣を教えてー」
とかなんとかって、誰もが驚いてくれる。。。

一回り分もサバ読んでたら、まあどんな人でも
「そんなトシ」には見えないでしょうよ...。

 

人間って面白い。人生で時折出会うユニークなひと~年齢詐称編

 

だとしても、そんなことの何が嬉しいのでしょうね。

例えばわたしが49歳だとして、

  初対面の人に「ワタシ、何歳だと思う?」と尋ねたら、
  相手は「40代後半くらい?」と答えました。
  そこで、「本当は62歳よぉ」と言ってやったら、
  相手は腰を抜かさんばかりに驚愕しました......

......って、ここに何か面白い・快感と感じる要素を、
わたしは一粒も見つけ出すことができないのですが( ;∀;)

本当に62歳なら、
「見た目的には40代後半くらい」だと誰かに思われたら
大得意で狂喜乱舞、自慢しまくりますが。

 

そもそも華道教室で年齢の話なんて誰もしてないのに、
あえて自ら話をふる。

そしてウソの年齢を教える。

それも実年齢より10歳以上プラスして。

そんなことをする理由がどうしても思い当たらなくて、
「もしかして病院で見かけた人は別人だったんじゃないの?」
なんて、友人を疑ったりもしてしまいました(;'∀')

ただ友人の”発見”とは別に、
マダムは本当にはやっぱり49歳だったということが
後々判明した、という悲しい(?)事実もありました。

 

 

ちなみにその後のお稽古で、
またマダムHに会う機会は当然ありました。

マダムは友人があの病院の受付にいたことなど
全く気付いてない様子でしたし、
もちろん友人もわたしも、
「実はアナタの秘密を知ってしまったんですよ」
なんて言わない程度には大人でした。

そしてマダムも変わらず、「美の秘訣」などを
秘密っぽく教えてくれたりもしていました。

 

ただ、マダムに抱いていた
憧れめいた気持ちは完全に失せ、
ちょっとした恐怖心とも憐憫とも
よくわからない思いにとらわれて、
すごく複雑な気分でした。

 

人間って面白い。人生で時折出会うユニークなひと~年齢詐称編

 

あれからもう幾星霜って感じですが、
マダムH以外には、年齢を大きいほうに詐称した人には
いまだ出会えておりませんw

つい先日も、知り合いが
「ホントは40歳だけど、36って言ってやった。」と
半分テレながら自白していましたが、
そんなものよくある話。

あのマダムに比べたら言い間違い・誤差の範囲です。

 


だけどまあ、今になって改めて考えてみると、
あれは大人のユーモアだったのかも、
と思ったりもしないではないです。

マダムは、もしかしたら何かのはずみで
「62歳よっ!」って言ってみたら、
みんな仰天してくれた。

その様子が彼女にとってはとんでもなく面白くて、
その反応に病みつきになったのかも、しれません。

 

それに、ちまちまと2、3歳若く言ったりするより
ずっとスケールが大きい(ちょと違う?)し、
「いじわるばあさん」的な毒とユーモアも感じるような?

一度くらいわたしも、同じパターンでウソの年齢を
誰かに言ってみたい気がしないでもないです。笑

ただし、そんなツマラナイ嘘は、
言ったその日のうちにネタばらし(実年齢告白)をしないと
違う方向に勝手に独り歩きして冗談が冗談にならず、
ついた本人がイタい人になりかねませんね。

その点だけ、注意です。

 

とぉっても長くなりました。

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

 

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