週末職人

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価格には理由がある~安物買いは、やっぱり銭失いとなりやすい~

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安物買いの銭失い。

「安価な物を買うと、
 品質が悪かったり壊れやすかったりと、
 すぐに買い替えが必要になることが多いので
 かえって損になる」

といった意味のことわざです。

 

今日のエピソードは私の友人が経験した、
ちょっと笑えない「安物買い~」の話。

実際には、安い品物を買ったのではなく、
必要経費をケチったせいで
終生忘れられそうにない大恥をかいた
というお話です。

 

ただまぁ、すごく長くなりそうなので
とりあえず簡単に言ってしまうと、

「プロに払う正当価格をケチって
 シロウトに安価で頼んだら、
 チンドンな姿にされて大恥をかいた」

という内容です。

 

具体的な内容にもしご興味があれば、
以下もお読みくださいませ。

 

価格には理由がある~安物買いは、やっぱり銭失いとなりやすい~

 

数年前の出来事です。

わたしの友人Kさんは、
ある時、仕事で知り合った女性から
お茶会に招待されました。

お茶会と言っても、茶道のほうです。

気軽な会とのことでしたが、
洋装よりもやっぱり着物ということで
Kさんは色無地の着物や小物など、
一式揃えて準備しました。

 

肝心の着付けについては、
自分では着られないので
まずは美容室に頼むことを考えました。

でもその当時、彼女のヘアスタイルは
ショートボブ。

着物でも、そのままの「頭」でOKな感じです。

ヘアセットが不要なら、
着付けのためだけに美容室へ
着物一式を持参して行くのも面倒です。

なのでKさんは、
「出張着付け師」を依頼しました。

 

 

早々に必要な準備は全て整えて、
あとは当日を迎えるだけの状態だったある日。

職場で、今度お茶会に出席することになったと
同僚と話をしていると、
そばで話を聞いていた先輩の女性社員が
「着物の着付けはどうするの?」
と尋ねてきました。

Kさんが、出張着付け師を手配したと答えると、
「そんなん勿体ないから断りー。高いのに。
 私が着せてあげるわ」
と、先輩が言い出しました。

その先輩は、自分は着物が好きだから
自分でちゃんと着付けもできるし、
普段からよく着物で出かけるのだと言うのです。

Kさんは、とりあえずは断りました。
面倒をかけるのは申し訳ないし、と。

でも先輩は、
「(出張着付け師の)着付け代が勿体ないから!」
「私がタダで着せてあげるから」
「遠慮することないから」
と、すごくシツコク食い下がってきたのだとか。

果たしてKさんは、それ以上断り切れなくなり、
その先輩に着付けをお願いすることになりました。

 

 

そしてお茶会の当日。

その先輩は、足りないかもしれないからと
着付け用のひも類などの小道具も持参して、
朝早くから彼女の家を訪れ
着物を着せてくれたそうです。

Kさんは彼女の親切に感謝して、
「失礼かもしれませんが」と言いつつ
”お車代”を包んで渡したそう。
(出張着付け師に頼んだ場合の半額程度)

「タダで着せてあげる」と言っていた先輩も
特に遠慮することもなくw、
すんなり受け取って帰って行ったのだとか。

 

そうして不慣れながらもちゃんと着物を着て
無事に会場に到着したKさん。

まずはその日招待してくれた人に
挨拶に行きました。

すると、その人は彼女を見るなり、
「ちょっと!こっちにおいで!」と
いきなり彼女の腕を引っ張って
隅っこに連れて行き、
小声で教えてくれたそうです。

「着物、左前になってるわっ!」って。

 

価格には理由がある~安物買いは、やっぱり銭失いとなりやすい~

 

和装の前合わせは、男性女性関係なく
「右前」が正解です。

右側の身頃を先に着て(下になる)、
その上に左側の身頃を重ねる
ということです(説明下手ですが(;'∀'))

友人はその逆、つまり右側の身頃を
上から重ねて着ていたのでした(゚д゚)!

 

 

Kさんは、驚きと恥ずかしさで
全身の血の気が引く思いだったとか。

でも、今さら着直す時間も場所もなく、
だからと言って帰るわけにもいかず。

よりによって着物巧者ばかりが集まるような
茶道のお茶会でそんな失態をさらして、
「なんでここで気絶してしまえないんだろう」
ってずっと思っていたそうです。

そして、会の終わりを待ちかねて
逃げるようにタクシーに飛び乗り、
家に帰りつくなり
「引きちぎるようにして着物を脱いだ」
のだとか。

 

 

まあ、どれほど恥ずかしかったかは
想像に難くないですね。

洋服を裏おもて&後ろ前に着て歩いてるとか、
ワイドパンツの片一方に
両足突っ込んで歩いてるとか、
そんな感じ?(とチャカしてはいけませんがw)

 

 

帰宅してからも恥ずかしさで
しばらく身もだえしたそうですが、
少し落ち着いてくると次は、
着付けをしてくれた先輩に
怒りの矛先が向いたそう。

まあ、そりゃそうでしょう。

ほぼムリやりに、
「ワタシが着せてあげる!」って
押し掛けてきたのに、
間違った着付けをしてくれたんだから。

 


そして翌日。

会社に行くと、何も知らない(?)その先輩が
「昨日どうやった?」と訊いてきたそうです。

Kさんは最初は、何も言わず黙っておこうとも
思ったそうです。

でも、とにかく間違った着付けであったことは
確かなので、それだけは言っておこうと、
「あの着付けは左前になってました」
と伝えました。

するとその先輩、
「えぇ?!ウッソー。間違ってた??
 そうかー。自分で着るときとは
 逆にしないとアカンかったんやねー。
 ギャハハハッ」
と、何がおかしいのか大笑いしながら
立ち去って行ったそうです。

 

意図的ではないとしても、
人に恥をかかせるようなことをしておいて、
ひと言の謝罪もなく「ぎゃははは」は
ないですよね。

でもKさんは、その時にはすでに
怒る気力もなかったそう。

それどころか、
「プロを断って先輩に頼むって決めたのは
 自分だから、全部自分のせいだ」
なんて、仙人みたいな境地だったとか。

 

価格には理由がある~安物買いは、やっぱり銭失いとなりやすい~

 

Kさんによると、出張着付け師の代金は
一万円ほどだったそうです。

先輩には「お車代」として
封筒に五千円を入れて渡したのだとか。

数字的には、Kさんは差額の五千円分を
「トクした」のかもしれません。

でも現実的には、
その五千円をケチったばかりに
「左前」の着物姿で京都の街中を歩き、
お茶会で恥をかくという
「ケチ」がつきました......。


Kさんは、自らすすんで「安い方」を、
つまり「タダで着せてあげる」という方を
選んだわけではありません。

でもタダと言われて気持ちがそそられたのも、
事実なのだそう(笑)

それで、一万円のプロの着付けよりも、
無料(じゃなかったけど)の素人の着付けを
選んでしまったのですね。

その結果は、
「安物買い~」のことわざの意味そのままに、
大損する(大恥をかく)ことになったのでした。

 

 

さて、後日談というか、余談です。

「左前事件」当時のKさんは、
もう着物なんて見るのも聞くのもイヤで
トラウマになりかけていたそうです。

でも、だんだんと、
そもそもそんな目に遭ったのは、
着物の着方も知らない無知な自分が悪いのだと
反省するようになったとか。

そして現在はなんと、
着付け教室に通っているそうです。

どんな種類の着物も着られるよう、
人にもちゃんと着せられるよう、
本格的にお稽古を続けているということです。

 

本日は長々と、最後までお読みくださいまして
ありがとうございました。

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