週末職人

気持ち美人に生きる知恵とお作法、英語学習と時々、DIY製作記録。

自分を表現する。存在証明としての香り

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化粧品のディスカウント・サイトで買い物をした友人が、「これは絶対に正規品じゃない」と、悔しがりながら電話をかけてきました。ずっと愛用している香水が、正規の価格よりも安く売られてるのを見つけて飛びついたらしいのですが、届いた品は、いつも使っているものとは『似てもにつかぬ代物』だというのです。見た目はもちろん正規品とそっくりだけど、香水の液体の色が『本物』よりも濃く、ラストノートにかけての香りも微妙に違うと言うのです。香りの変化にまで気づくとは、まあ長く使ってる人だからこそでしょうけれど。でも色も香りも、初めて使う商品だったら、その違いは多分わかりませんよね。
 
実は私も以前、ディスカウントのサイトで、とある海外ブランドのマスカラを買ったことがありましたが、届いた品を開封してみると、新品のはずなのにすでにマスカラ液が乾きかけ。単に製造年月が古いものだったのか、あるいは正規品ですらなかったのか、販売元に問い合わせする気にもなれなかったので、真偽のほどは定かではありません。でもそれ以来、『正規品をプライスダウン』などと謳ってあっても化粧品類は絶対に、ブランド直営のカウンターか直営通販サイトでしか買わないことにしています。コレ本物かなあ?と疑いの気持ちを持ちながら使うのは気分が良くないし、何より肌に直接塗布するものです。そして、買った時のラッピングも、ディスカウントショップと直営店では大違い。過剰包装の是非は別にして、ですが。 

          【香水】存在証明としての香り

ところで、香水というとフランスが本家本元というイメージがあります。学生時代に私は、ヨーロッパの高級ブランドばかりを扱う小さなブティックでアルバイトをしたことがありました。40代以上のいわゆる『マダム』を対象にしたファッションばかりを扱っていて、品質もお値段も高級品ばかりだったので、もちろん自分がそこでお買い物することはありませんでしたが、おかげで目だけはしっかり肥えて…。

そこで働いていた当時四十代半ばくらいの女性が、ある時私に「香水は絶対にフランス製のものを使いなさいよ。良い香りと思っても日本のもはダメ。深みがなくて安っぽいから」と教えてくれたのです。安っぽいというのは多分、フランスと日本では、香水の伝統や歴史の長さが違う、というようなことを言いたかったんじゃないかと勝手に解釈してます。「自分が好きな匂いなら別にどこの物でもいいんじゃないの?」とその時思ったのは事実ですが、実はその言葉が私には”擦り込み”されて、いまだにしっかり効いています。

          自分を表現する。存在証明としての香り

以来これまでに、たくさんのフランス香水を使ったり収集したりしてきましたが、上手に薫らせるというのはなかなか難しいですね。匂い・嗅覚は本能の領域であるだけに、”同じ釜の飯を食って”生活してきた家族であっても匂いの好みは人それぞれで、私が良い香りだと恍惚に浸ってても、「クサッ!」と一瞬で夢を壊されたり。臭い香水なんかないわ!と怒りつつも、好きじゃない香りがあるのは事実ですし。

本を読むとその付け方にも様々あって、上半身ではなく腰から下の部分にだけ付けるようにするのがマナーとか、一方では、耳の後ろや首筋の、特に脈が打っている部分につけると香りが広がるのでオススメだとか、いちいち納得はできるのですが、実際に自分がつけるときには、どこにつけたものかと悩みます。すれ違ったり身体が接近したときにだけ、フワっと薫るようなつけ方ができればいいのですけれど。

          香りは存在証明

かと思えばフランス人の友達は、男女を問わず、文字通り浴びるように振りかけています。もちろんパルファムではなく、オードトワレやオーデコロンをですが。ちなみに香水は、パルファム→オードパルファム→オードトワレ→オーデコロンの順で、香りの濃度も持続時間も薄まっていきます。でもいくら軽いコロンでも、この方法で香りを纏うのはtoo muchで、実際彼らに会った瞬間は毎回「香りキツいわ~」と感じます。空気が乾燥したヨーロッパでは香りもサラリと乾いた印象ですが、多湿な日本の気候では、香りも湿度を含んで重くなるのでしょうか。あるとき一人のフランス人の友人に、「香水つけすぎじゃないの?」と思い切って言ったことがありました。すると、サラりと「香りは自分の存在証明みたいなものだから、香水を付けずに生きることはできない。香りでも私を覚えてほしい」みたいな返事が返ってきて、おおっ!と驚いたことがあります。香水の歴史の長い国に生まれ育った人だからこそ、言えることのような気がして。

          【香水】存在証明としての香り

香りはオシャレや身だしなみというものを遥かに超えて、その人そのものを表現する手段にもなるのですね。自分のイメージにふさわしい香りを纏って、その香りで誰かの記憶に残ることができたら、とても素敵なことですね。(少なくとも、”妙なニオイ”で覚えられることだけはないよう切に希望)
 
今日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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