年末の大掃除を兼ねた断捨離に挑戦中の知人から、和ダンスの奥底で長年眠ったままだ
った、しつけ糸もついたままの着物をいただきました。
しつけがついたままということは、一度も手を通していないということ。
いわゆる新古品です。
さらに、その着物が仕立てられたのは昭和30年代とのことで、今から60年以上も前
に作られた布地がなんの傷みも変色もなく(多分)、令和の今、自分の手元にやって
きたことに、なんだかすごく感動してしまいました。
ものすごく好みの色合いの織物で、いただいた瞬間に「お正月に着るわ!」と嬉しくて
叫んでしまいましたが、悲しいかな、着丈も袖丈も私にはツンツルテン。
誤魔化して着られる範囲をとっくに超えてました。
というわけで、勿体ないような気もしたけれど、しつけを含めて全てほどいて生地に戻
し、また小物作りに活かすことにしました。
そして、まずは本当に「小さい物」ということで作ったのがこれ。
バイアスに生地を裁断し、7.5cm幅の口金を合わせたポーチです。
この口金サイズで作ったものの中では、一番の背高ノッポ。
縦は10cm弱の高さを出して、マチも5cmと大きく取りました。
この大きさに作ったのは、中に入れたいものが決まっていたから。
ワイヤレスイヤホンをケースごとこれに入れて、持ち運びたかったんです。
また、縦入れならばショップのカードやクレジットカードが余裕で入るので、近所への
お買い物やお散歩ならこれ一つで間に合いそう。
フォルムは今回もかなり腰高。厚手のハードな接着芯を貼って、パリっとかっちり感を出しています。
ヴィンテージ、いわゆる古布は、年月を経たものだけが持つ独特の風合いが魅力です。
そして古いゆえに大抵は一点物。
世界に一つしかないというところも、大きなチャームポイントですね。