パリの老舗紅茶店「KUSMI TEA 」についてこのブログに書いた翌日のこと。所用の為たまたま従姉妹が家に来たのですが、持ってきてくれた手土産が紅茶でした。これがKUSMI TEAだったら「引き寄せ~っ」と人差し指をワイパーみたいに振ってはしゃぎたいところです。でもまあ、紅茶のことを考えていたら紅茶がやってきた、ということである意味「思考が現実化した」と言えるかもしれません。
ところで先日、茶香炉で緑茶の香りを薫らせると、その空間の除菌消臭効果があると紹介しましたが、緑茶の代わりに紅茶を使うのもおすすめです。紅茶は発酵した茶葉のため緑茶以上に香り高いですし、温めたその芳香の広がり方は緑茶以上です。
私はフレーバーティーの茶葉を使って、このような『紅茶アロマテラピー』をすることがあります。「乾燥した茶葉の状態だととても良い香りだけど、お湯を注いでいざ飲もうとすると、ちょっと匂いが強すぎる」と感じたものや、返礼品などのティーバッグでそのままでは香りが飛んでしまっているものなどを、茶香炉で焚いて香りを立たせ、楽しんでいます。
✔紅茶は発酵している
ところで、「紅茶は茶葉を発酵させてつくられている」ことはご存知でしょうか。お茶の原料は、学名を「カメリアシネンシス」という、ツバキ科の樹の葉っぱです。その葉の発酵度合いを変えることによって、緑茶・ウーロン茶・紅茶など、様々な種類の茶葉になるのです。
納豆やヨーグルトの発酵は菌によるものですが、茶葉は葉の中の酵素による酸化発酵です。上記の3つのお茶では、緑茶は不発酵茶、ウーロン茶は半発酵茶、そして紅茶は完全発酵茶で、一番発酵度合いの高い茶葉になります。茶葉の発酵が進むにつれて、成分のカテキンが酸化し赤くなっていき、それが紅茶の「紅」色の正体なのだそうです。
✔発酵食品 紅茶の効能
納豆やお味噌、お漬物、ヨーグルトにチーズなど、発酵食品は体にとても良いものというイメージですが、それは紅茶にも言えます。発酵茶である紅茶には、緑茶にはない様々な有効成分が含まれており、その一つが紅茶フラボノイドです。
紅茶フラボノイドはポリフェノールの一種で、紅茶の主成分であるタンニンに含まれています。摂取することにより、動脈硬化や高脂血症、糖尿病等の生活習慣病予防に効果があるといわれています。また、紅茶に含まれるタンニンには、歯を強くするフッ素が含まれています。紅茶でうがいをすることで、虫歯の原因になる歯垢や雑菌の繁殖を防ぎ、口臭予防効果も期待できます。
✔ウイルス感染予防にも期待大
紅茶に含まれる抗菌性の強い色素「テアフラビン」の作用により、カップ1杯の紅茶を5~10倍に薄めたものでうがいをすると、風邪予防になります。
さらに、テアフラビンにはインフルエンザに感染するのを防ぐ作用もあると言われています。通常の飲用濃度の紅茶で、サンプル中のインフルエンザウイルスの99.99%が10秒で無力化したという研究結果や、紅茶をよく飲む人はインフルエンザになりにくい傾向があるといったデータもあります。また、紅茶に含まれるテアフラビンにノロウイルスを消毒する作用があるという研究結果を静岡県環境衛生科学研究所が発表しています。
✔紅茶の飲み方処方箋
上記以外にも、紅茶には、卵巣がんの発生リスクを抑える効果や、肌の老化をうながす糖化を抑制する効果など、興味深い健康効果がたくさんあります。
ただ、飲み方次第ではその効能が十分に発揮されないので注意が必要です。ミルクを入れるとミルクのたんぱく質がカテキンの働きを阻害してしまいますし、お砂糖を入れると糖尿病予防効果は期待できなくなります。紅茶の効能を期待するなら、無糖ストレートで飲むのがおすすめです。
✔まとめ
ウイルス感染に対する効果はもちろん、口中の雑菌を防ぐ作用が個人的には気になります。外食時など、すぐに歯磨きできないときには、食後にストレートの紅茶を飲んでおくと良さそうですね。いろんな健康効果を期待しながらも、やっぱり紅茶は優雅な気分で楽しみたいなあとも思います。
今回も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。