週末職人

気持ち美人に生きる知恵とお作法、英語学習と時々、DIY製作記録。

初釜にもピッタリかも。麻糸刺繍の麻布懐紙入れ

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もう10年くらいは経っているかも。

でも、今でも忘れられないモノに出会ったことがありました。

大好きな奈良の、中川政七商店「遊 中川」のお店で、

真っ白な麻布で作られた懐紙入れを見つけたのです。

白麻の布地に白糸で施された刺繍が、何とも言えず潔い、きっぱりとした美しさ。

思いっきり一目ぼれして、絶対買おう!と衝動的に思ったのだけど、

どういうわけだか、結果としては購入にいたらなかったのでした。

特別に高価だったわけでもないのに、見た瞬間に欲しいと思ったのに、

なぜ買わなかったのか。

今でも自分でも理由がわからないし、もしも今、もう一度同じものを見つけたら、

迷うことなく絶対買うはずです。

なんであの時買わなかったのかなぁ、と未だに時々思い出しては

後悔のような思いにとらわれたりもします。

あまりにも潔白な感じがして、自分の手には負えないと思ったのか。

まあ、そこまで深く考えたとは思えないけど、もし買ってたとしても、

きっと実際に使うことなしに透明のプラスチック袋に入れたまま、

時々取り出して眺めるだけだったと思うので、

その時も同じようなことを考えて買うのを控えたのかもしれません。

 

でもその時以来、麻布に麻糸刺繍という布地の素敵さに、

すっかり取りつかれてしまいました。

刺繍入りの布というのは世の中にたくさんあるけれど、

麻布×麻糸というパターンは以外に少なく、

またどうしても「遊 中川」で見たあの懐紙入れのイメージにとらわれるので、

同じような物をと探すとなかなか出会えませんでした。

ネットの通販サイトはもとより、旅行に出かけたその先でも

散々探し続けて数年(!探しすぎ)。

やっと「これは!」と見つけ出したのが、この写真の麻の布です。

青麻布

 

縹色(はなだいろ)とでも言うのでしょうか。

ニュアンスのある日本伝統の青色の麻布。

そこに、生成り色の麻糸で、雑草みたいな草花模様がそっけいない感じに

ポツリポツリと刺繍されています。

「遊 中川」で見たあの懐紙入れとは、全然似ても似つかない色柄ですが、

見たことのないようなブルーの色合いと、シンプルな線だけの刺繍が、

また別の意味でツボにはまったのでした。

そして、購入して家に持ち帰ってからも、

いったい何を作ろうかと長らく迷った布でもありましたが、

生地の持つイメージから、やっぱり日本らしい小物にしようと思い、

懐紙入れに仕立てることにしました。

 

上の写真がそれです。

サイズは18×12cmのスタンダードな大きさですが、内側のポケットは2段にしました。

2つポケットがあることで、懐紙と、楊枝や茶扇子を分けていれることができます。

同じ布で袱紗も作ってお揃いで持てば、ちょっとしたお洒落で楽しいかもしれません。

 

ところで、私は懐紙そのものも大好きで、

結構な数をコレクション(というのか?)しています。

季節の風物詩や、各地方の名物・名所などが柄に描かれていたりするので、

一つ数百円と手ごろなこともあって、ついつい買ってしまうのですが、

懐紙は茶道の席で使うだけでなく、普段から何かと便利に使えるのです。

包んだり、拭いたりはもちろんですが、

たとえば、一筆箋のようにメッセージを書くのに使ったり、コースターにしたり。

お化粧直しの時に、ティッシュの代わりに口紅を押さえるのにも使えます。

ポケットティッシュよりもずっと便利に使えるので、外出時には必ず携帯しています。

 

そんな懐紙を持ち歩くのに欠かせないのが懐紙入れなのですが、

懐紙を入れるだけじゃなく、通帳入れやカードケース、パスポートホルダーとしても

使ってみるのもいいかもしれませんね。

「懐紙入れはお茶席だけで使う物」とガチガチに考えると、

高尚なイメージの生地・柄を選ばなければとなりますが、

日常的に活用するのなら、お化粧ポーチくらいの気軽さで、

自分好みの色柄・質感の布で作ってみたり、自由に遊ぶのが楽しいと思います。

 

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