いわゆる「ショックな事」にも
いろんな種類がありますが、
最近わたしが聞いた話は、
他人事ながらなかなか衝撃的でした。
それは、お稽古事仲間の
７０代女性（Ｈさん）のお話です。
ある日、Ｈさんのところに
中学時代の同級生から
何十年ぶりかで電話があったそうです。
「うわぁ！久しぶり～♪」と
ひとしきり大盛り上がりしたあと、
その相手から
「今日連絡したのはね、今度、
同窓会を兼ねた旅行を企画してて
私が幹事になったから。
あなたも旅行に参加する？」
みたいなことを訊ねられたそうです。
Ｈさんは「もちろんいく」と答えたそう。
すると、
「じゃあ、旅行社に前金で一人につき
７万円払うことになってるから、
とりあえず私の口座に振り込んで」
と言われたそうです。
Ｈさんは全く何も疑うことなく、
教えてもらった銀行口座に
早々に７万円を振り込みました。
その同級生からはまたすぐに
「お金確認したよ～。
すぐにパンフレットとか送るから
待っててね」
なんて電話があったそうです。
だけど何日待ってもパンフレットは届かず、
”幹事”である同級生に電話してみても
呼び出し音が鳴るばかりで、一切応答なし。
その時になってＨさんはやっと、
ちょっとおかしいなと思い始めて
別の仲良しの同級生に連絡したそうです。
「〇〇ちゃんから、こんな連絡あった？」って。
すると、
「ないけど？ 同窓会で旅行なんてあるの？」
と逆に訊かれ、
「実は・・・」と過日の電話について
話したそうです。
そこから二人で、別の同級生たちにも
連絡してみたら、
「連絡があった」という人と、
「なかった」という人が、
それぞれ複数名ずついたとか。
そして「連絡があった」人達はほぼ全員、
『同窓会旅行参加費の７万円』を
指定された口座に振込んでいたそうです。
でも誰も旅行案内は受け取ってないと判明し…。
そこから大騒ぎになり色々調べ始めましたが、
その元同級生はすでに電話も通じず、
行方知れずになってしまってるそうです。
「たぶん詐欺だったと思うけど、
同級生に騙されるとは夢にも思わなかった」
と、Ｈさんは嘆いておられました。
きっとお金を取られたことよりも、
信じていた人に裏切られたことのほうが
かなり大きなショックだと思います。
それにしても、『同級生』というのは曲者ですね。
何十年会ってなくても、
子供時代の数年間を毎日一緒に過ごした仲間って、
なんだか無条件に信用してしまいますもの。
信用するとかいう以前に、
騙されるとか裏切られるとかを
最も想像しない相手、
というのが『同級生』じゃないですか？
純粋な幼少期をともに過ごした人に対して
ダマしたりお金を盗ったりするなんて、
全く見ず知らずの赤の他人でない分
余計に罪深いなぁ、と思います。
騙した人はいま、
どんな気持ちでいるのでしょうね。
聞いていて、憤りも感じましたがそれ以上に
なんだか切ない気分になったお話でした。
今日もお読みくださいましてありがとうございました。
