もはや数年前のことですが、とある外資系企業に勤めていた頃のこと。
残業続きでちょっと体調を崩したときに受診した内科で、
「夜、なかなか寝付けないんです」
と、あまり深刻な意味もなくポロっと口にしたところ、いとも軽い感じで
「ストレスかもしれないですね。じゃあ導眠剤出しときますので、飲んでみてください」
と、処方されたのがきっかけで、それがなければ全く寝付けなくなるまでに至ってしまった、
という経験をしました。
期間は２年間くらい。ずっと服用し続けていました。
薬を飲む前は、寝付けないといっても、まあベッドに入って３０分くらいかなあ、
右むいたり、左向いたりしてるうちに、なんとか寝入っているという感じでした。
でも導眠剤を服用すると、効果抜群！というのか、飲んで５分もたたないうちに、
引き込まれるように眠れたんですね。
そうなると、その感覚が忘れられなくなり（？！）、毎晩必ず服用してしまうようになったんです。
服用し始めて１か月目くらいで、
「やっぱり薬なんてやめよう」と思い、
飲まないで寝ようとしたのですが、全く眠れない。
眠れないと翌日の仕事に差し支えるので、
「やっぱり薬で無理にでも眠らないと」となり、
また飲んでしまう、という悪循環にどっぷりはまってしまいました。
結局、退職するまでずっと、導眠剤なしでは眠れない日々が続いたのですが、
退職したその日から、ウソみたいに「イチ、二の、グー・・・」って感じで
薬を飲むヒマもないほど健やかな眠気が訪れて、熟睡できるようになったのでした。
自分では、眠れないのが仕事のストレスだなんて考えてもいなかったのですが、
実はストレスだったみたいです。
心身のストレスが強まることで、十分な睡眠をとれないという人は、きっとすごく沢山いると思います。
「不眠症」というのは睡眠時間の多少を言うのでなく、朝目覚めたときに寝不足感が強かったり、
睡眠不足のせいで疲れが取れないといった、苦痛を感じてる状態のことを言うそうです。
そして、眠りの質が良くないせいで疲れが取れない人の多くは、呼吸にも異常があるといいます。
睡眠の浅い人は呼吸もとても浅く、その逆もそう。
呼吸が浅いと酸素が不足し、体の自然治癒力が落ちます。
そういう状態のところに、仕事やもろもろのストレスがかかると睡眠の質が悪くなり（不眠）、
眠っている間になされるはずの身体の修復機能も衰え、ついには病気に。。。
ストレスが多い仕事や環境にあると、そのようなパターンになりかねないのです。
私はその当時、このチェック項目の「お酒」以外のすべてに当てはまっていました。
結局、完全に「不眠」が解消できた方法・理由というのは、私の場合は会社を辞めたからなのですが、
誰もが同じように辞めたり環境を変えられるわけでもなく。。。
なので、せめて少しでもストレスが軽減できる方法をお伝えします。
それは、深呼吸をすること。
「な～んや、そんなことか」と思われるでしょうけど、
１日５分程度ちゃんと時間を取って、深い呼吸を意識的に行うことを習慣にすると、
まずメンタル面で楽になってくるのがわかるはずです。
心身の健康を保つには、自律神経のバランスが取れた状態であることが不可欠です。
そのバランスをとる為に最適な方法の一つが「呼吸」なのです。
落ち込んだりイライラしたり、ストレスを感じるときというのは、緊張状態で呼吸が浅くなっています。
いわゆる交感神経が優位な状態ということですが、このときに意識的に深い呼吸を行うことで、
副交感神経の働きが高まって、自律神経のバランスをとることができるのです。
そして、自律神経のバランスが取れると当然、睡眠の質も改善されてきます。
わざわざ時間を取って深呼吸を行うのが難しい人は、ため息でも良いと思います。
ため息は、緊張状態が続いて呼吸が浅くなったときに、それを緩和しようとする無意識的な体の働きです。
軽く口を開けて、ハ～っと息（ため息）を吐きだすと、
身体の力が抜けて、一瞬だけでも緊張がゆるむ感じがしますよね。
深呼吸よりも更に簡単にできるため息は、いまこの瞬間にもできる超簡単なストレス軽減方法なので、
ぜひ意識的に、お試しになられてはいかがでしょうか。
