先日遭遇した、なかなかインプレッシブな出来事は、
とあるデパートの中にあるブティックでのことでした。
「私を誰だと思ってるの！」「責任者を呼びなさいよ！！」
などと、ドラマの中でしか聞いたことがなかったフレーズを、
ヒステリックなキンキン声で言い放っている女性を
目の当たりにしたのです。
接客される中で、何か気に入らないことがあったのでしょう。
とてもとても興奮されていて、髪の毛が逆立ちそうな勢い。
その場に居合わせた他のお客さんも、
ビックリしてフリーズしてましたw
何があったのか、この後どうなるのか、
顛末を見届けたい気も無きにしも非ずでしたが
雰囲気の悪い空間に居合わせたくなくて、
またその後に所用もあって、
わたしは早々にお店を出てしまったのでした（ちょっと残念？）。
帰り道、ブティックでの出来事を思い出して思ったのが
「私を誰だと思ってるの？！」なんて宣う人に
いわゆるホンモノの『大物』はいないってこと。
そんなことを恥ずかしげもなく言うことこそ、
『小物』の証拠みたいなものです。
自らアピールしなければ誰にもソレと認知してもらえないから、
「私は〇〇だぞー！」と自分で言わざるを得ないのです。
本当に『ひとかどの』人ならば、
黙っていても周りがそれにふさわしい扱いと、
気遣いをしてくれます。
わたしは長～い間、秘書の仕事をしていましたが、
その経験を通じて一つだけ断言できることがあるとすれば、
「偉い人は間違いなく謙虚」ということです。
今さら目新しい発見でもないけれど、
とにかく真に立派な人は、絶対に偉そうぶりません。
一流企業の社長・会長ともなれば
周囲の取り巻き・部下たちが、
その一挙手一投足に気を配り、
ご機嫌具合に神経をとがらせてますから
会長・社長本人が何かを自ら求めたり、
不平を言ったりする必要もないのかもしれませんが。
組織の肩書的に言えば、むしろ、
部長やら執行役員やらといったそのクラスのほうが
「オレ様大物」感をムリやり出してエラそうにしてる印象
（あくまでも私個人の）でした。
まあいずれにしても、とにかく、
「本当に偉い人はエラそうにしない」
のは、まぎれもない真実でした。
エラそうどころか、誰に対しても謙虚で誠実で、
ユーモアのセンスもあるフレンドリーな人柄だったりして、
”人好きのするチャーミングな人物”というイメージも。
もちろん、大手企業のトップや有名著名な人に限らず、
周囲に気を使ってくれる御付きの人など持たない
ごく一般的な人についても、全く同じことが言えます。
ところで、
どうして偉い人はエラそうにしないのか？
と言うと、理由は至極シンプルで、
そういう人は自分にゆるぎない自信があるからでしょう。
自分が成し遂げてきたことだったり、
ずっと培ってきたことだったり、
自分には「力（実力）」があることを確信している人は、
周囲の評価や扱いで心が揺さぶられることは無いのです。
周りの人間にチヤホヤされたり持ち上げられたりしなくとも、
また逆に、
もの知らずなバカ者に無作法な態度をとられようとも、
それらにいちいち反応することなく、
常に気持ちが安定して、静かで謙虚です。
自分が自分をしっかり認めているから、
わざわざ自分を過剰にアピールしたりして
他者に評価してもらう必要がないのです。
本当に自信がある人というのは、
他者からの扱いやその態度に過敏に反応したり
気持ちが揺らぐことなんて、
まず無いに違いありません。
そういう意味では、
わたしがブティックで遭遇した御婦人などは、
プライドは高いけれど自信がない人の
典型だったのかもしれません。
特に接客業の人に相対するとき、
その種の内面は現れがちな気がします。
自信がない人ほど、
横柄な態度をとって自分を大きく見せようとしたり、
少しでも気に入らないことがあれば
不当な扱いを受けたと騒ぎ立てたり・・・。
そういう言動、振る舞いをしている最中の
ご本人の心情は想像もつきませんが、
冷静な第三者視線で見れば、
滑稽でみっとも無いの一言に尽きます。
ちなみに、自信というものは、
何かを成し遂げたり頑張らなければ持てないもの、
でもありません。
ただシンプルに、自分に誠実にというのか
自分自身に恥ずかしくないような日常の過ごし方、
（大仰に言えば）生き方を心がけることで、
日々ごく自然に育っていくものだと思います。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。
