今年の春頃、友人に連れられて出かけたギャラリーで、リュビネル刺繍というものに出会いました。
それはフランスの刺繍で、オートクチュール・メゾン発祥の装飾技法の一つだそう。
そういえばインドにもリュネビルと似たアリ刺繍という技法があって、日本にはもちろん日本刺繍があるし、刺繍と一口に言っても世界中に様々な技法があるのですね。
編み物も縫い物も好きなのに、そして刺繍糸を編んでるくせに布に刺すことをしないのんは、実は単に苦手だから。
何度挑戦しても、布の表面に描いた線に裏側から表に針を出すとき、狙った場所にすんなり刺せないのです。
ピンポイントで厳密に狙いすぎということもあるかもしれませんが、それでもどうしても何だか苦手。
刺繍を楽しんでる人たちが世の中には巨万といるのに、なんで上手く出来ないかなぁと思っていたところ、「フレンチノットステッチ」という刺し方を偶然目にしてひらめいたんです。
そして完成したのが、これ。
影絵からヒントを得て、シルエットが光に浮かび上がっているかのようなイメージで、フレンチノットステッチだけで刺したウサギです。
ひたすらフレンチノットだけってなんだか修行みたいですけど、どんどんシルエットが浮かんでくるのが楽しくて、結構夢中になれました。
使ってる糸も一色で、刺繍としては地味かもしれませんが、そのぶん見る人次第でいろんな想像が広がるファンタジックな要素タップリでは?!、と思っています。